「転職の思考法」を読んでみたがめちゃいい本だった

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いまさら感がありますが、書店で目に付いたので読んでみました。

いやーこれはほんとにいい本でした!

転職、、、いや自分の職業人としての方向性を考える上でとてもいいエッセンスが散りばめられています。

なにより物語調なのが意外と頭に残りやすいです。

ざっくり言うと、主人公の青野が転職を考えていて、昔の知り合いから黒岩という転職コンサルタントに出会います。そこから、自分の会社でいろいろあったり、黒岩から様々な仕事観を教えられるというストーリーです。

これ以上は本を読んでくれ!と言いたいところですが、良かったところを抜粋します。
いや全部よかったんですけどね。

3つの観点

前半に転職に際してのマーケットバリューのための3つの観点を挙げています。

  • 業界の生産性
  • 人的資産
  • 技術資産

要するにどういうことかというと、本の中からざっくり抜粋してしまいますが。。。

業界の生産性

一人の力で稼ぐ額が大きいか小さいかという意味です。
投資銀行は少ない人数で大きなお金を動かすわけで、一人の年収が高くなります。
ウエディング業界はお客様数である程度売上が決まってくるので、一人の年収が安めになります。

そのため同じ時間を過ごしているのに、収入が大きく変わってきます。

他にも業界が違えば、例えば介護関係だったりすると、業界の生産性も小さくなってしまい収入が安めになってしまうでしょう。
(※別に介護業界を卑下しているわけではありませんからね)

そういった業界別の稼ぎやすさとも言えるかと思います。

人的資産

いわゆる人脈や、顔が広いとかそういう意味です。
個人で知ってもらえている分、転職後でも人的資産で稼げる可能性が比較的高くなります。

営業部門で働いているとイメージしやすいかと思います。

技術資産

エンジニアの業務知識などです。
会社は変われど、技術資産は変わりません。



かなり内容を端折りますが、
この3つをもとに自分のマーケットバリューの「レア度」を挙げていくべきとあります。
そしてその「レア度」を挙げていくには「経験」を取れと。
その「経験」を得るために「ポジション」取りがとても大事。

これはほんと大事な考え方だなと思いました。
私はエンジニアとして仕事をしていますが、経験による「レア度」は低いなと常々思っていました。

特に起業しているわけではありませんし、特別な技術を知っているわけではありません。

そこに爪痕を残すべくブログなどを書いたりしていますが、自分のエンジニアとしての経験と今後のポジショニングはあらためて考えていきたいと思いました。

それと、この3つの観点ってもっと早く、10代とかにも知っておきたかったなーと思います。
自分の娘にも将来こっそりわからないように「パパの名言」として教え込もうかなとたくらんでいますw

名言の数々

他にも物語のところどころに名言が散らばっていますので、引用して紹介します。

強い会社というのは普通の会社の発想と逆なんだよ。いつでも転職できるような人間が、それでも転職しない会社。それが最強だ。そんな会社だけが今の時代を生き残れる。

才能は不平等だが、ポジショニングは平等だ。

伸びるマーケットには、いずれ大企業の競合となるような急成長ベンチャーが複数いる。

物語にもありましたが、競合他社も伸びているのか?という観点は転職、就職する際にとても大事なことだなと思いました。
そういうポジショニングを取って自分の「レア度」をあげていきたいものです。

現状維持バイアス

また個人的に注目してしまったシーンがあります。

従業員やサラリーマンは乗っている船が危ないとなったら、むしろかたくなに動こうとしなくなる。

ちらっとこういう文章がでてきて思い出したのですが、転職する直前の心理状態って不思議なものだなということがありました。

自分の経験なのですが、よしもうやめよう!とあんなに転職したいと思っていたのに

「いやでも、実はこのままこの会社にいた方がほんとはいい選択なんじゃないのか....。」

っと考えがよぎったことがあったんですね。

現状維持バイアスって自分で呼んでるんですが、自分でも思いもよらない感覚が出てきて不思議に思いました。

今の会社でも飢え死にするわけでもないし.....
思い通りとはいかないまでも仕事としては与えられているし....
無理して新しい環境に行かなくても.......
転職先が今より悪くなったらどうするんだ.........

みたいな考えだったと思います。

ですが、現状より良い条件を選ぶことは何にも悪くないはず!と押し切って転職し、実際転職してよかったなと思ってます。

いやーあの現状維持バイアスはほんと不思議だった。。。

「嫁ブロック」を乗り越えてほしかった...

また後半に主人公が結局自分で転職先を決めてしまうことに腹を立ててしまい彼女と別れてしまう場面があります。

黒岩さんに気を付けるべき点を教えてくれたものの、僕としてはなんとか説得してうまくいくケースを入れることで読者に説得のテクニック(笑)みたいなものを見せてほしかったなーと思います。
例えば並行して、親友のカップルでは彼氏が彼女のことをちゃんと説得してうまくいってたとか。

自分もあと数か月で子供が産まれるという時に転職しましてw、いわゆる「嫁ブロック」というか、奥さんがあまり転職に気乗りしない正当性がありすぎて、それを説得するのは少し大変でした。
嫁も不安だったろうな。。。

転職してかなり環境+収入がよくなったものの、あの時の自分はよくやったわなと思いますwww

最後に

他にも大事なエピソードはいっぱい

文章がうまくないので端折りますが、ほかにも大事なエピソードはいっぱいありました。

会社の不正会計がどう暴かれるのか?、大手企業とベンチャー企業はどっちにすればいいのか?、後半部分になると自分の適性にあった仕事の選び方、なども心に刻みたいエピソードがあります。

不正会計を暴くところの話は池井戸潤の「オレたちバブル入行組」や三枝 匡の「V字回復の経営」を思い出してしまい、かなり続きが気になりました。
そういう展開も面白いところです。

自分の「レア度」

この本を通じての自分の感想は、自分の「レア度」は情報発信でもなんでもして、自分の「レア度」はあげられるんじゃないかと感じました。

本書にあるように今後の30代、40代で大事な観点として「経験」と「ポジショニング」が大事になってきています。
何をするかは人それぞれですが、方向性を考えるためには非常に有益な本でした。
キャリアに悩んでいる人は一度手に取って読んでみることをおすすめします。

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

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オレたちバブル入行組 (文春文庫)

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V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)

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